森本博氏さんの 「とりたちとの田舎ぐらし」 その2
エサやり
ニワトリには一日三回エサやりをする。
朝は四時半くらいから夜明けの歌の演奏が始まるので、五時半くらいから起き出して野菜切を始める。
切る台は真東向きなので、山の端がだんだんと白み始め、金色が増して行き、やがて太陽の天辺が顔をのぞかせた途端、一条の光が目に飛び込んでくる。その山の頂上の木々は遥かに黒々としたシルエットとなって、朝の情景を引き立てる。

まもなく70歳に近い自分としては、腰やヒザへのダメージを軽くするため予防策が大切である。したがって、エサ切り台は立食パーティ式に立位の姿勢でできる作業台である。
雑草畑の中で家族でコーヒーなど楽しみながら団欒できるようにと、長女が大枚はたいて購入してあったビーチパラソル用のテーブルを無断で借用している。だから中央に穴がある。色は白。
実は、丘の上の我が家では景色は抜群だけれども台風のときの風当たりが激しい。パラソルはいつの頃からか吹き飛んで裂けて骨は折れ、使いものにならなくなったのである。
厚さ二寸以上もある足付きの切り台。朝まだき、トントントンと威勢よく切っていく。
ご近所さまには迷惑なのか、それとも目覚まし音楽の代用になっているのか、どなたからもまだ耳にしたことはない。大丈夫だと思うのでなければ生きていけない。

エサの調理師
エサは、いつも同じものをやっているわけではない。例えば、米ヌカを与えておくと大喜びでついばんでいるが、やがて食わなくなる。満腹になったかと思うと、そんなわけではない。野菜を与えると同じように喜んで食う。野菜に飽きたころ、ためしに豆腐のオカラをあたえると、これまた喜んで食う。
では、これらを混ぜ合わせて与えればよいではないかという話になってくる。
たしかに、とりたちは自分が食べたいものを庭や畑で選んでついばんでいる。しかし、その時々によって好みは常に変化しているらしい。
例えば、オカラを大きな塊のままで与えておくと、はじめは喜んで食べているが結局は翌日まで大半を残している。その塊を手で集めて米ヌカとカキ殻と高キビの粉やソバの粉、それに野菜を切り混ぜて与えなおすと、まさに別人のような勢いで大口を開け、のどを鳴らして食べる。
混ぜ物に飽きているということを飼主の方で感じたときは、ためしに生野菜のままで与えてみると喜んで食べることも多い。要するに、ニワトリは同じエサを続けては食べない。目先の変化を求めると考えられる。
ところが、テレビなどで見かけるように、何万羽もの多くのにわとりがベルトコンベアで運ばれてくる配合飼料を食べている様子は不思議であるし、生き物を飼っているという実感がおこらない。
まあ、それは他人様の話。私は、個性的でストレスのない卵を産むニワトリたちと付き合っていく。
エサの調理師の要約は
1、目先の変化。
2、新鮮な食材。
3、音=野菜を切る音が始まると食欲をそそられるらしい。今まで見向きもしなかったエサ箱に首を出してエサをついばみ始める。
4、カキ殻や小石を適切に与える。
米ヌカは栄養価は高いが、与え過ぎると「脂鳥」となり、体脂肪が多く卵を産まなくなる。
(トラストみらい第4号 2005.7.1 社団法人生態系トラスト協会 発行より転載)
森本博氏さんは、小学校の校長先生をしながら、高知県環境教育研究会の初代会長を務められました。
社団法人生態系トラスト協会の副会長、高知県子ども会連合会専門員。
定年退職後、古い農家に移住して「百姓道」の追求を始めました。
「地域活性化につなげる森本農園の循環型生活システム」「古民家の保全と再生(土蔵~囲炉裏)」などなど、今後が楽しみです。
こんなイベントを企画しています
ー環境教育野外研修のご案内ー
さてこの度、第一次産業の一つであります「森林の恵み」ということで、研修会を計画しましたので、参加いただきますよう、ご案内申し上げます。
どなたでも自由にご参加ください。(高知県環境教育研究会)
日時:平成21年3月28日(土)10時集合~12時頃まで
場所:香南市香我美町下分1567番地
森本農園(元小学校の校長先生で元高知県環境教育研究会会長の森本博氏さんが「有機農園と養鶏」を営んでいる)
"


