そのとうり。でもね 情報プラットフォーム、No.221、2(2006)

出典:東京国際フォーラム 「相田みつを美術館」
東京への出張の折、時間的な余裕を持たせるために、第一便で東京へ行くことや最終便で高知へ帰ることが多くなる。
会議の始まるまでの午前中、仕事が早く終わってしまった遅めの午後、時間を持て余すことになる。喫茶店での一杯のコーヒーで三時間はもたない。
谷中の大名時計博物館、原宿の太田記念美術館(浮世絵)、東京ステーションギャラリー、八重洲通りのブリジストン美術館など主要駅近くの小さな博物館や美術館で時間つぶしをしている。
それらの一つで、頻繁に行く大好きな美術館がある。その美術館は有楽町の駅近く、ビッグカメラの北側のガラス張りの建物、東京国際フォーラムの中にある。
ここは羽田へ戻るべき時間を計算できる便利な場所である。その地下に「相田みつを美術館」がある。
心が揺さぶられることば、心に残ることば、納得してしまうことばである。相田みつをの筆づかいがその内容と対応して、さらに心を和ませるのである。
次の例などは、自分自身ができないことをさらけ出しているから、ことばに重みが出ているのだろう。私の好きな詩を紹介しよう。
「『のに』がつくと ぐちがでる」、「聞いてくれる人のおかげで ぐちもこぼせる」、「なやみはつきないな 生きているんだもの」、「なんにも欲しがらないときが 一番強い」、「うばい合えば足らぬ わけあえばあまる」など。
間違いなくそのとうりである。でも。
話を変えよう。高知工科大学に憧れて東京から入学してきた学生がいる。卒業後の就職は東京の企業である。
しかし、高知に恋人を残すことになった。彼女の家は我が家のご近所さんである。彼は、ゴールデンウイーク、夏休み、お正月などの長期の休暇があれば、首都圏ナンバーの車で高知にやってくる。
時が経ち二人は結ばれることになった。両家を知っているご縁で、結婚式に出席することになった。
私の挨拶は、高知工科大学の創設に関わって高知に来た自分と比較し、お二人の思い出話をして、次のように締めくくった。
「私の好きな『ことば』をご紹介して、乾杯に移ります。『そのときの出逢いが 人生を根底から 変えることがある よき出逢いを』。よき出逢いにして下さい。
『セトモノとセトモノとぶつかりっこすると すぐこわれちゃう どっちかやわらかければ だいじょうぶ やわらかいこころを持ちましょう』をそのとき、そのときに思い出して下さい。
ちょっとした神様のいたずらがつぎつぎと連鎖反応を起こしました。そのカオスの神様に、このよき出逢いに、感謝の念を込めて乾杯をいたします。ご唱和下さい。乾杯。」
そして、「そのときの出逢いが・・・」の作品がデザインされているご入館優待券をお二人にお渡ししたのである。
常設展示だけではなく、企画展示も行っているので、何度行っても新鮮である。東京で時間があれば、是非行くことをお勧めしたい。
日めくりになった作品集は居間のアクセントになる。高知のあるホームセンターのトイレに行けば、見ることが出来る。
「トマトがトマトであるかぎり それはほんもの トマトをメロンにみせようとするからにせものとなる」もそのとうりである。でも、格好を付けたくなるのである。
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鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp
高知県香美郡土佐山田町植718 Tel 0887-52-5154
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