モーツアルト大好きの対話 情報プラットフォーム、No.274、7月号、2010年
青木 淳:みなさんこんばんは。日頃のご無沙汰をお許しください。実は明日
の毎日新聞の朝刊(2010/04/03)に私が出ております。
ノーベル物理学賞の小柴昌俊先生との対談ですが、私がインタビュアーです。誠に恥ずかしながら私の顔写真も付いています。今後このような大それたことはないと思うので、どうかこの度だけは、大目に見て下さい。
鈴木朝夫:切り抜きを有り難うございます。音楽の話が印象的な小柴先生との
対談です。私もモーツアルトの短調の曲はどれも好きです。
「クラシック音楽ベストテン」(本誌、No.223、4(2006))と題した私のエッセイをご笑覧ください。これにバイオリンソナタ、ホ短調、K304を入れています。
青木先生も音楽好きとは。音楽談義が出来ますね。折角ご案内頂いた「地方仏フォーラム」、高知での開催ならばと残念です。
青木:おはようございます。東京では不思議な仕事が有るものですね。自分が
何の研究者だったのか分からなくなってきました。ただ、話を聞かせて頂けるこ
とで、未知の世界に繋がる楽しみが尽きません。
実はこの対談の前に、モーツァルトがK304を書いたパリの旧居に行っていたのです。ここで21歳のモーツァルトは母親を亡くします。そんな状況下で作曲したんですねと切り出そうと思っていたら、小柴先生に「あの曲は体に沁みるんだよ」と語りかけられて吃驚しました。
鈴木先生のお好きな曲、とても若々しい気がしました。マーラーの交響曲第1番。先日、クーベリック指揮のものを聴きました。あまりに熱く、しかし透き通っているのに感激しました。
オルフのカルミナブラーナ、これは私がベルリンに留学していた頃のテーマソングでした。シューベルトの冬の旅、バッハの無伴奏チェロ、寒いドイツの町でウオークマンで聴いていて沁みました。
いつか音楽対談したいですね。もし人生で最後に聴いておきたい一曲と言われたらどんな曲ですか。
鈴木:大変難しい宿題が出ました。「沁みる」の範疇ではないかも知れませんが、考えあぐねた末に、モーツアルトではなくベートーベンに、交響曲、第7番、イ長調に決めました。リズムの昇華とでもいえる軽快な、しかし重厚な曲想が好きです。
青木:こんばんは。いやいや調子に乗って変な質問をしてしまったと、反省し
ていたところでした。
第7番。指揮はやはりフルトヴェングラーですか、それともクライバーですか。全くの名曲ですね。指揮者の個性を聞き分けるときにもよくこの曲を聴きます。
ベートーベンのサービス精神がいっぱい詰まっているようにも聞こえます。
私は、仕事で人の死について話すようになったのですが、その空気とか、時間を説明するときに、肉体的に亡くなっていてもどこか五感の中で聴覚だけが生きている気がして、最期の時間は好きな音楽に包まれて逝きたいと思っていました。
小柴先生はきっとモーツァルトのホ短調、K.304なのですが、私はピアノ協奏曲21番(ハ長調)か23番(イ長調)がいいかなと思っています。
せめてこのぐらいは成熟したかったんだって、言ってみたくてです。美術の話もこのぐらい気楽に出来ると良いのですが、なかなか易々とはさせてくれません。
鈴木:おはようございます。東京の、そして多摩美大の住み心地は、土佐の、そ
して高知女子大のそれとはかなり違うでしょうね。
須崎市上分の大日如来座像(湛慶作)を、そして土佐の地方仏研究会を忘れないでください。
レクイエム(鎮魂ミサ曲)ニ短調、 K626を忘れていました。モーツアルトはこれを沁みながら作曲したに違いありません。
ご感想、ご意見、耳寄りな情報をお聞かせ下さい。
高知県香美郡


